2024年2月4日

暗号通貨からVNDへ現金化する方法

面白い記事を見付けました。ベトナムの BitcoinVN というサービスを利用して、ビットコインから現地通貨への両替を実践した話。

個人的に興味があるのはビットコインではなくステーブルコインからの両替なのですが、同様の方法でできるようです。

本題に入る前にまず、比較の対象となる従来の現地通貨調達方法について誤解があるので、実際にはそこまで高コストではないことを指摘しておきます。

海外に行くと困ることの一つに現地通貨の入手があります。めんどくさいので金額が小さい時は空港で円と渡航先の通貨に両替することもありますが、空港でのレートはぼったくりに近いくらい高く、通常5〜10%くらいスプレッドで抜かれます。

私はATM派なので両替所のことはよくわからないですが、そんなに手数料が高いのは日本の空港だけで、ベトナムの空港なら1~2%という説もあります。

他の方法として一般的なのはクレジットカードのキャッシングなどを使ってATMから引き出すこと、もしくはクレジットカードを受け付けている店舗であれば直接Visaなどで払うことですね。大部分の人はこれでそこまで不便を感じてないかもしれないですが、ただクレジットカードを使うにしても結局大体3〜5%くらい手数料を抜かれていたり、他にも海外だとスキミングなどのリスクもあるので正直自分はクレカもあまり使いたくありません。

クレジットカードの海外キャッシングを海外ショッピングの手数料と混同しているようです。あるいは銀行系デビットカードの海外キャッシングと混同しているのかも? ATMに仕掛けられたDCCの罠に引っかからない限りクレカキャッシングに3%も手数料が乗ることはなく、繰り上げ返済で利息を抑えれば僅か0.5%前後で済みます。

参考記事:海外キャッシング比較ランキング│国際キャッシュカード&海外キャッシング比較

さて本題です。

まずこちらのBitcoinVNの取引ページのリンクからライトニング送金で売りたいビットコインの金額を指定します。

とありますが、ここは左側ではなく右側のVNDの方を、1,000未満の端数がでないように指定すべきかと思います。なぜなら、VNDは1,000ドン未満の現金がほとんど流通していないため、この例の場合は188ドンが切り捨てられてしまうからです。

たとえば右側に999万VNDを指定します。売る暗号通貨はステーブルコインのデファクトスタンダード、USDTを選択。チェーンは手数料の高いEthereum以外にも18種類ぐらいありました。正直言って知らないチェーンの方が多いです。実績があってわりと有名なPolygonチェーンの場合、送金手数料は1セント未満のようです。タダ同然ですね。

左側のUSDTの金額が小数点以下6桁の細かい数字になりますが、こちらは現金ではなく暗号通貨だからぴったりの金額を送金可能です。

先に暗号通貨を送金してから、現金受け取りのアポを取る形のようです。

ここから先は右のチャットボックスからBitcoinVNのサポートと連絡を取り、現金を受け取る日時を交渉するのですが、実がここが鬼門の一つです。

まず対応してくれるのは英語ができるサポートの人なので、Bitcoin VNの中の人が働いてる日中の時間ではないと反応してくれません。また、日中でもすぐに返事が来るとも限らないので画面を開いたまま少し気長に待つ必要があります。

たしかに、この待ち時間は精神的に疲れそうです。特に初めて利用する場合や金額が大きい場合は。

両替所の窓口と同じように、現金の受け渡しは同時履行にしてもらいたいところです。

自分が取引をした時の手数料を概算してみると、

Bitcoin VN上の換算レート:0.011BTC→ 10551188 VN

CoinGecko上の換算レート: 0.011BTC→ 10837844 VN

ということで、スプレッドによる手数料はだいたい2.7%です。

421USDTを999万VNDに替える場合の手数料も、2.7%と出ました。これでも十分お高いですが、試しに100USDT≒243万VND程度まで金額を下げると、手数料は9%と出ました。低額になればなるほど、手数料高すぎて使う気が起きませんね。ATMキャッシングで十分です。

逆に高額になるとどうなるかというと、取引上限に近い14,000USDTで手数料を計算すると0.8%まで下がります。手数料的には従来の両替方法といい勝負ができるものの、そんな大金をVNDの札束で受け取ってその後どーすんの、ってことになりそうですね。

ちなみに、現金の受け取り場所をハノイやフエに変えると、手数料が2.5倍に跳ね上がるようです。

この両替サービスを体験してみたい人は、サイゴン=ホーチミンシティを目指しましょう。

総括すると、手数料や現金受け渡しのタイミングの面ではまだまだ改善の余地が大きいサービス、という印象を持ちました。クレカキャッシングが使える平時に、敢えて高コストな方法を選択する意味は無さそうです。

ただし、日本政府の支配下にある銀行や取引所を一切介さずに法定通貨と暗号通貨の交換ができるという意味では、有事の際に役立つ可能性があります。日本国内に何億円分の証券や預金を持っていようと、資本移動規制されたら終わりですからね。日本のクレジットカードが海外では通用しなくなるシナリオもあり得なくはないです。いざという時に海外の両替所で現金化する手段も選べるのは、ポータビリティーのある暗号通貨ならではの特長だと思います。

参考ツイート:

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2024年1月28日

無職とクレジットカードについての俗説

このツイートに対して、これだから無職はダメなんだ的なコメントが多いので異論を唱えたいと思います。

昔からよく言われる

「無職になるとクレジットカードが作れなくなる(から退職前に作っておくべき)」

に加えて、

「無職になると既存のクレジットカードが使えなくなる」

という俗説まで信じてしまう人たちがいるみたいですが、必ずしもそんなことにはなりません。私の場合は無職になってからも既存のクレジットカードは使えてるし、新規に作れたクレジットカードもあります。

クレジットカードの審査基準はカード会社やカードの種類によってかなり違います。無職というだけで排除されるカードもあるでしょうし、職業や年収以外の要素(クレジットヒストリー等)を重視するカードもあります。無職歴の長い私が作れたり使えているクレジットカードは、後者なのでしょう。審査の詳細は非公開なので推測でしかないですが。

とにかくバカバカしいと思うのは、主さんのように1枚のクレジットカードが使えなくなった無職の人が一人いる、という事例だけを見て上記の俗説を信じ込んだり、無職になるリスクを過大に恐れて無理やり(たとえば法人設立して)肩書や年収を維持しようとする行為です。

そもそも、今の時代に旧態依然のクレジットカードなんてそんな必死になって維持したいものかな、と思います。仮に私の手持ちのクレジットカードが1枚も使えなくなったところでどうということはありません。むしろ利用頻度が低すぎて解約を検討しているぐらいです。

デビットカードでいくらでも代用が効くし、PayPay等のQRコード払いも広く通用します。昔よりも遥かに選択肢が多くなっているので、クレジットカードの維持に拘って不安に怯えることもありません。無職になるハードルは大幅に下がったと感じます。

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参考ツイート:


2023年12月31日

2023年末の資産残高推移

年に一度の資産残高集計を済ませました。

前年比プラス83%(USDベース)となり、2021、2020年に次ぐ自分史上3位の上昇率を記録。

暗号通貨をポートフォリオの主力に据えたとたんに、ボラティリティが跳ね上がっている様子がはっきりわかりますね。心臓の弱い人には全くおすすめできないPFです。

昨年と違って、今年は高額の買い物はしませんでした。2年前に家計簿つけるのは辞めましたが、年間支出額は通常運転に戻っているはずです。と言うより、資産残高と余命に見合った十分な支出ができていない傾向が継続している気がします。

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2023年11月27日

多様性とは

多様性についてこれほど的確に表現している文章を初めて見ました。

多様性=多様な価値観を「分かり合う」「受け入れる」、ではないんです。

他によくある表現として、他者の価値観を「尊重」すべきというのもありますが、尊び重んじるという意味ですから、「分かり合う」よりもさらに的外れです。尊重するか軽蔑するかは多様性と関係ありません。

多様性のある社会に必要なのは、自他の境界線を守り、他人の領域には干渉せずに放っておくという態度だと思います。単純なようで、実行できている人は非常に少ないように見えます。



2023年10月31日

債券を満期までガチホすれば「大丈夫」?

主さんにとって「大丈夫」とは、債券がデフォルトせずに約束通り元利が償還されること(だけ)を指しているようです。

デフォルトリスク以外にも一つ、懸念すべきリスクがあるんですがね…。年率0.49%を超えるインフレになったら実質リターンはマイナスになる、という事に気付いている人がリプ欄には見当たりませんでした。

日本のインフレ率の推移 - 世界経済のネタ帳 より。





現に2022年のインフレ率は2.5%、2023年は3%を超える見込みですから、現在進行形で実質リターンがダダ下がり中です。全く「大丈夫」とは言えません。5年固定金利の債券というインフレリスク丸被りの金融商品なんて、そう軽々しく買うものではないなと思いました。

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